なぜ待機児童は発生し、減らないのでしょうか。実際、施設の数や受け入れ可能人数は増えているのです。しかし、なおこの問題が解決していないのは、それ以上に保育を求める人が増え続けているからです。
平成22年から平成29年間の統計によると、保育所等(認定こども園等も含む)を利用する児童の数は毎年増え続けています。平成22年は約200万人でしたが、平成29年には250万人をこえているのです。
少子化の時代といわれているのに増えているの?と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。これは、就学前児童数全体に対する保育所等利用児童の割合が年々大きくなっているためなのです。
利用率を比較すると、平成22年では32.2%だったのが、平成29年には42.4%と、10年足らずで10%も増加しています。
保育所の必要が高まった背景には、働く女性が増えたことが理由の1つとして挙げられます。女性の就業率が上昇し、共働きの家庭が増えた結果、子どもを安心して任せられる保育所等を求める人も増えていったのです。
また、核家族化や、地域のつながりが薄まる風潮といった、家庭をめぐる環境の変化も一因とされています。家族や知人に子どもを預ける、ということができにくくなっているのです。